サンディエゴで過ごした青春時代、彼の手元にあったのはスケートボードとスケッチブック、そして日本の美少女アニメのビデオテープだった。異質な要素が混ざり合う環境で、JUN INAGAWAという稀有な才能の土台は形作られる。ストリートファッションの現場にアニメのキャラクターを堂々と持ち込む手法は、当時のシーンにとって強烈なカウンターカルチャーだった。
転機は突如として訪れる。エイサップ・バリ率いるVLONEとの電撃的なコラボレーションを皮切りに、DIESELをはじめとする世界的ブランドが彼の描くアイコニックな少女像に熱視線を送った。「オタクであること」を隠すのではなく、最大の武器として掲げるスタイル。オタクカルチャーをストリートの文脈へ完全に接続した功績は、カルチャー史における決定的な転換点となった。