昔ながらのきゃらぶきの作り方|祖母直伝・水なし黄金比で極める保存食

昔ながらのきゃらぶきの作り方|祖母直伝・水なし黄金比で極める保存食

昔ながらのきゃらぶきの作り方|祖母直伝・水なし黄金比で極める保存食にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

きゃらぶきを作る際、多くの人が最初に直面する疑問が「皮をむくべきなのか、むかざるべきなのか」という問題です。スーパー頭に並ぶ栽培種の「愛知早生蕗」などの太い水蕗と、山野に自生する細い山蕗(野蕗)では、下処理の前提が根本から異なります。

結論から申し上げますと、山蕗の下処理と皮むきの要否に関して、きゃらぶきに使用する鉛筆よりも細い山蕗は「皮をむいてはならない」というのが伝統的な職人や山里の知恵です。皮の直下にこそ山菜特有の野趣に富んだ香りとポリフェノールが存在しており、外皮の頑丈なセルロース層が長時間の煮込みに耐える骨格の役割を果たします。皮をむいてしまうときゃらぶき特有の歯切れが失われ、ただの柔らかい煮物になってしまいます。

ただし、皮を残す以上はきゃらぶきアク抜きの正しい手順を厳格に守らなければなりません。山蕗に含まれる強いアク(主にフキノール酸やピロリジジンアルカロイド類)を適切にコントロールするための手順は以下の通りです。

まず、まな板の上に山蕗を並べ、蕗の重量に対して約3〜5%の粗塩をまんべんなく振り、手のひらで強く押し転がす「板ずり」を徹底します。この工程により、表面の微細な産毛が削ぎ落とされると同時に表皮組織に適度な傷がつき、塩の浸透によって内部のアクが外へ溶出しやすい状態が整います。続いて、大きめの鍋にたっぷりの湯を沸騰させ、塩がついたままの山蕗を投入して強火で2分から3分茹で上げます。緑色が鮮やかに冴えわたった瞬間に冷水へと取り、15分から長くても30分程度水に晒します。

ここで数時間も水に晒し続けると、山菜としての尊い芳香までが水中に流出し、味の抜けた出涸らし状態に陥ります。「適度な苦味こそがきゃらぶきの命である」という境界線を見極めることが、本格的な仕上がりへの第一歩となります。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。