「KT Zepp Yokohamaに向かったはずが、巨大ビルの外壁沿いで立ち往生した」「横浜駅東口から歩き始めたら、首都高速の高架下で方向を見失った」――SNSや現地ヒアリング調査では、こうした生々しい失敗談が毎週末のように投稿されています。会場自体はランドマークに囲まれた好立地にあるにもかかわらず、なぜこれほど多くの人が道を間違えるのでしょうか。
その決定的な原因は、横浜駅東口からみなとみらいエリアへと続く歩行者導線の「立体多層構造」と「公開空地のナビゲーションの不完全さ」に起因します。
横浜駅東口から現地へ向かう際、歩行者は地下通路(ポルタ)、地上1階のバスターミナル、2階の人工地盤ペデストリアンデッキの3層を行き来することになります。一般的な地図アプリのGPSは高低差の立体認識が苦手であり、地上1階の車道沿いルートを指示しがちです。しかし、車道沿いをそのまま進むと幅の広い幹線道路や首都高速の高架、線路敷地に阻まれ、横断歩道が見つからずに大回りさせられるという罠に陥ります。
さらに、多くの来場者が心理的トラップにかかるのが「日産自動車グローバル本社ギャラリーの通り抜け」です。「企業のオフィスビルの内部を通り抜けて良いのか」と躊躇し、ビルの外側を迂回しようとして水際線沿いの遠回りルートへ流れてしまうケースが頻発しています。実際には、このギャラリー内は公認された歩行者貫通通路としての役割を担っています。この都市設計の仕組みを事前に把握していないことが、迷い人が生まれる根本的な構造要因です。