多くの家族連れで賑わっていた同店が営業終了を選択した背景には、日本の小売流通業界が直面する3つの構造的要因が存在します。業界関係者の証言や決算・出店動向の分析から浮き彫りになった主な閉店理由は以下の通りです。
第一に、郊外ロードサイド単独型店舗から大型SC(ショッピングセンター)内テナントへのシフトです。日本トイザらスは近年、単独のロードサイド大型店舗を整理し、食品スーパーやアパレル、シネマコンプレックスが集約されたモール型商業施設(ららぽーと、イオンモール等)への集約・移転を加速させています。「ワンストップで週末の用事をすべて済ませたい」という現代の共働き世帯のライフスタイル変化に合わせた出店戦略の転換が大きく影響しました。
第二に、EC(ネット通販)の急速な普及とデジタル購買へのシフトです。おむつや粉ミルクといった重量のある消耗品はAmazonや楽天などの定期便で購入され、クリスマスやお誕生日の大型玩具もEC経由で自宅へ直接届くスタイルが定着しました。これにより、実店舗に求められる役割が「大量陳列・倉庫型販売」から「実体験・ショールーミング型」へと変化した点が挙げられます。
第三に、建物の定期借家契約満了や設備の経年劣化です。1990年代から2000年代にかけて日本全国に大量出店されたロードサイド型トイザらス各店は、20年から25年の契約満了時期を次々と迎えています。新座店においても契約更新のタイミングで投資対効果の再評価が行われ、経営資源の最適配分として閉店の決断が下されたと分析されます。