病気の始まりは、日常生活におけるわずかな違和感から静かに始まります。脊髄小脳変性症初期症状として代表的なサインには、次のようなものがあります。
- 歩行時のふらつき:平らな道でつまずく、急に向きを変えようとするとバランスを崩す。
- 手の巧緻性(こうちせい)低下:ボタンの掛け外しが難しくなる、字が乱れる、箸がうまく使えない。
- 構音障害(こうおんしょうがい):舌がもつれて「ろれつが回らない」、話すスピードが途切れとぎれになる。
- 眼振(がんしん):眼球が自分の意志とは無関係に細かく揺れる。
初期の段階では単なる「疲れ」や「運動不足」と見過ごされがちですが、年単位の時間をかけて確実に症状が進行します。自力歩行から車椅子生活へ、やがて寝たきりの状態へと移行し、進行期には嚥下(えんげ)障害による誤嚥(ごえん)のリスクが高まります。進行速度には個人差があり、数年で急速に動けなくなるケースもあれば、10〜20年かけて緩やかに進むケースも存在します。