東西で周波数が異なる問題は、個人の家電トラブルにとどまらず、国全体の電力安定供給における構造的課題でもあります。東日本と西日本で電気を直接融通し合うことはできず、送電するためには「周波数変換」という特殊な工程を挟まなければなりません。
現在、静岡県や長野県、岐阜県に位置する佐久間、新信濃、東清水、飛騨信濃などの周波数変換所(FC:Frequency Converter)がその役割を担っています。ここでは、東日本の50Hz交流をいったん直流に変換し、それを再び西日本の60Hz交流(あるいはその逆)へと作り直して送り出す高度な変換システムが稼働しています。
東日本大震災以降、大規模災害時の供給力不足を教訓として変換設備の増強工事が段階的に進められてきました。非常時に東西間で融通できる送電容量は着実に拡大しており、電力インフラ強靭化の要となっています。