料理人の厨房で受け継がれる技法を、家庭のまな板の上で再現するための具体的な手順を解説します。
1. ナスの天ぷら「扇切り」の基本ステップ
扇切りは最も支持されている切り方です。ヘタ側で肉がつながっているためバラバラにならず、扇状に広げることで火通りが劇的に早くなります。
- ヘタの処理:ガクのヒラヒラした部分だけを包丁で鉛筆を削るようにぐるりと切り落とし、ヘタの先端を少しだけ整えます(ヘタを残すことで切り込みを入れてもバラけません)。
- 縦半分に切る:ナスを縦に真っ二つにカットします。
- 切り込みを入れる:ヘタの付け根から1.5cmほど残し、先端に向かって縦に等間隔(4〜6本程度)で平行に包丁を入れます。幅は3〜5mm間隔が理想です。
- 優しく広げる:まな板の上で、手のひらや指の腹を使って上から軽く押さえ、扇状にパッと広げます。このとき力を入れすぎるとヘタ部分が割れるため、優しく押し広げるのがコツです。
2. 華やかに仕上がる「茶筅(ちゃせん)切り」のコツ
茶筅切りはお茶を点てる茶筅に見立てた立体的な切り方で、料亭のような風格ある盛り付けが完成します。
- 小ぶりなナスを選び、ヘタのガクを整えます。
- ヘタ側を上にして、付け根から1.5cmを残し、下部に向かって縦に均等に8〜12分割の切り込みを放射状に入れます。
- 下から軽く握るようにして、切り込みを入れた部分を少し外側に広げてねじるように形を整えます。丸ごと揚げるのが難しい場合は、縦半分に切ってから同様に細かく切り込みを入れても綺麗に仕上がります。