SNSや動画プラットフォームにおいて、閲覧注意のホラー画像が驚異的なインプレッションを記録し続ける現象は、人間の進化心理学と脳機能から説明が可能です。
第1に、パレイドリア現象(Pareidolia)の関与が挙げられます。ヒトの脳は外敵や仲間の表情を瞬時に見分けるため、3つの点や曖昧な陰影を見ると無意識に「人間の顔」として知覚する強力なパターン認識回路を備えています。森の木々や壁の染みが苦悶の表情に見えてしまうのは、危険を早期察知するための防衛本能が過剰反応した結果に過ぎません。
第2に、不気味の谷現象(Uncanny Valley)です。人間に極めて似ているものの「どこか生気がない」「プロポーションが狂っている」対象に対し、脳は本能的な病気や死への忌避反応を示します。ネット上でバズを生むホラー写真の多くは、この「人間離れしたわずかなズレ」を計算、あるいは偶然捉えたビジュアルです。
ソーシャルメディア上での怖い画像 ネットの反応を分析すると、「見たいけれど見たくない」というアンビバレンスな感情がコメント欄での議論を呼び、エンゲージメントアルゴリズムを刺激してさらなる拡散を呼ぶスパイラルが形成されています。恐怖を他者と共有することで安心感を得たいという心理(恐怖の社会的共有)も、バイラル化を加速させる強力な動機となっています。