骨切り整形の中でも特に難易度が高く、侵襲が大きいのが「頬骨骨切り」「エラ削り(下顎角形成)」「オトガイ形成」を同時に行う輪郭3点や、上顎骨を切り離すルフォー(Le Fort I型骨切り術)を伴う両顎手術です。これらは劇的な変化をもたらす反面、ひとたび歯車が狂えば取り返しのつかない事態を引き起こします。
現場で多発している輪郭3点失敗例の筆頭は、骨の削りすぎ(オーバーリゼクション)による顔面支持構造の崩壊です。頬骨を過剰にインフラクチャー(内方移動)させた結果、眼窩下縁が窪んでやつれた印象になり、骨の不癒合(骨同士がくっつかない状態)によって咀嚼時に骨がカタカタと動く激痛や異音に苛まれるケースが存在します。また、エラ削り失敗左右差も極めて多い相談の一つであり、骨の切除ラインが非対称であることや、下顎角を削り落としすぎて耳の下の自然なカーブが消失する「犬顔(ドッグフェイス)」と呼ばれる奇妙な変形を招く事例も散見されます。
さらに、上下顎を切り離して移動させる中顔面短縮の難手術において、ルフォー失敗後悔を訴える患者の声は切実です。鼻翼基部が沈み込んで魔女のような口元になったり、鼻腔が狭まり極度の鼻詰まりに悩まされたり、術前の精密な歯列矯正を伴わない拙速な手術によって噛み合わせが完全に崩壊し、固形物を一切噛めなくなる機能障害が起きています。
最悪のケースでは、生命そのものが失われます。骨切り死亡事故理由の多くは、術中・術後の「大量出血」と「気道の閉塞」です。顎顔面領域には顎動脈や顔面動静脈など太い血管が複雑に走行しており、術中の大出血による失血性ショックのリスクが常に伴います。加えて、術後の組織浮腫(激しい腫れ)や咽頭部の血腫によって気道が塞がれ、窒息死に至る重大事故が国内外のクリニックで実際に発生しています。両顎手術失敗確率において、生命の危機に関わる重篤な合併症は数パーセント未満とされますが、全身麻酔の管理体制やICU(集中治療室)クラスの救急設備を持たない小規模な美容クリニックで行うには、あまりにリスクが高すぎる手術なのです。