写真の有無にとどまらず、事件の真実に迫るためには公的な一次史料の確認が不可欠だ。北海道庁に保管されている当時の警察報告書や行政記録、さらに地元・苫前町役場が編纂した郷土史誌には、襲撃の日時や被害状況、駆除隊の編成過程が詳細に記載されている。
現代の歴史的事件解析の手法を用いると、当時の開拓民が置かれていた過酷な環境や、冬眠に失敗した「穴持たず」と呼ばれるヒグマの習性が鮮明に浮かび上がる。残された文章資料を客観的に紐解くことこそが、ショッキングな偽写真に惑わされずに事件の悲劇性と教訓を正しく理解する道筋となる。