ラウンドワン広島店の撤退は、単なる個別企業の撤退劇ではなく、日本の地方中核都市が直面している都市空間変容の縮図といえます。
都市社会学において、家庭(第1の場)でも学校・職場(第2の場)でもない、インフォーマルな交流拠点としての「サードプレイス(第3の場所)」の存在は都市の活力を測る指標とされてきました。昭和から平成にかけての中区新天地は、お好み村や飲食店街とともに、深夜まで若者が目的を持たずに集まれる雑多な寛容さを備えていました。
しかし、タイパ(時間対効果)を重視する現代のZ世代・α世代は、スマートフォンによるオンライン対戦や配信プラットフォームへと娯楽の軸足を移しています。重い家賃負担を抱える中心市街地で、巨大な物理空間を提供するビジネスモデルは成立しにくくなりました。結果として、都市部のエンタメは「目的買い」を促す専門特化型プライズ店へと集約され、総合滞在型の遊び場は郊外の無料駐車場付きモールへと移動したのです。
【プロの結論】おすすめできる楽しみ方と都市型アミューズメント離れへの処方箋
広島のレジャーシーンにおいて、かつてのラウンドワンのような「1箇所ですべて完結する万能型レジャー」を再現しようとすると、ミスマッチが生じやすくなっています。現在の環境下では、利用目的に応じた明確な使い分けが不可欠です。
- 本通・紙屋町周辺が向いている人:最新のクレーンゲーム景品を最短で手に入れたい人、買い物ついでに音ゲーやプリクラをサクッと楽しみたい人。
- 郊外大型店・近郊施設を選ぶべき人:家族連れで終日過ごしたい人、無料駐車場を重視する人、ボウリング大会やサークル活動などまとまった人数で身体を動かしたい人。
- 避けるべき行動パターン:深夜のノープランな二次会利用。現在の中区新天地周辺には深夜ボウリングの受け皿がないため、移動手段や終電時間を事前に計算に入れた計画が必要です。