ネット上のサッカーコミュニティで根強く信じられているのが、「20歳前後の若いうちに欧州へ行かなければ手遅れになる」という言説です。しかし、近年のデータ分析はこの「早期渡欧絶対神話」の盲点を浮き彫りにしています。
確かに10代で渡欧して大成した選手も存在しますが、その成功確率の裏には、トップチームで公式戦に出場できないままリザーブリーグに埋もれ、帰国すらままならなくなった膨大な数の日本人若手選手が存在します。Jリーグで「追われる立場」として1〜2年間フルシーズン稼働し、マークが厳しい中で二桁得点やリーグ制覇などの成功体験(成功の自己効力感)を培ってから渡欧した選手の方が、欧州での挫折時にもメンタルが折れにくいというスポーツ社会学的なデータが報告されています。
国内で「自分は何ができる選手なのか」という絶対的な拠り所を確立していないまま海を渡ると、現地のフィジカルエリートたちに圧倒された際、プレースタイルを完全に見失ってしまうのです。「早い挑戦」が尊いのではなく、「自立したプロフェッショナルとしての土台が完成している挑戦」こそが真の成功を生み出します。