作中で反マーレ派義勇兵の筆頭リーダーとしてパラディ島に上陸したイェレナは、当初「マーレに祖国を奪われ、強制徴募された小国の元軍人」と自らを語っていました。マーレへの復讐心とエルディア復権を掲げ、同じ境遇の志願兵たちを統率する冷徹なカリスマとして振る舞っていた彼女ですが、その出自には驚くべき欺瞞が隠されていました。
物語終盤、マーレ軍元帥テオ・マガトと車力の巨人保持者ピーク・フィンガーの調査によって暴かれたイェレナの正体は、被征服国の哀しきレジスタンスなどではなく、生粋のマーレ人でした。彼女が語っていた悲壮感あふれる身の上話はすべて捏造であり、自らの手で作り上げた「偽りの物語」に過ぎなかったのです。
彼女の身長は190cmという並外れた巨躯であり、ベリーショートの金髪と相まって男性とも女性ともつかない独特の雰囲気を放っていますが、公式設定における性別は女性です。なぜ彼女は自らの血筋を偽り、敵対するはずのエルディア人に肩入れしたのか。そこには、「退屈な日常に埋もれる凡庸なマーレ人」であることを激しく拒絶し、歴史の特等席で偉業に関与したいという根源的なエゴイズムが存在していました。