荒田町を語る上で欠かせないのが、平安末期にまで遡る圧倒的な歴史の深みだ。この地はかつて平清盛が遷都を試みた「福原京」の中心地であり、清盛の別邸とされる雪見御所跡など、歴史ファンを唸らせる史跡が街のあちこちにひっそりと佇んでいる。
千年以上の時を超えて人々が暮らしを紡いできた土地には、特有の落ち着きと地盤の良さがある。平清盛がこの温暖で海山に近い要衝を都に選んだ理由を、今この街を歩けば直感的に理解できるはずだ。歴史のロマンが日常の風景に溶け込んでいる点こそ、新興住宅地には決して真似できない荒田町ならではの深みである。