「近所の犬の家が突然閉店した」という噂から、倒産危機説が語られることがありますが、実態は大きく異なります。その背景にあるのは、業界を取り巻く法規制の強化と、それに対する徹底的な事業再編(スクラップ&ビルド)です。
動物愛護管理法が段階的に改正され、生後56日以前の販売禁止(8週齢規制)や、繁殖従事者の飼養施設・頭数制限、販売業者に対するケージサイズ規制が完全に定着した現在、旧来型の狭小な小型店舗では法基準を満たしつつ利益を出すことが困難になりました。特に老朽化した路面店や採算性の低い個店を維持することは、企業にとってコンプライアンス面および固定費面で重荷となります。
株式会社犬の家の公式開示および業界の出退店データによると、同社は従来の「多頭陳列型の小型店」を意図的に整理し、以下の戦略へ舵を切っています。
- 大型ショッピングセンターやホームセンター内への共同出店:集客力が高く、十分なスペースを確保できるインショップ型への拠点集約。
- トリミングサロン・ペットホテル・動物病院の併設化:生体販売依存から脱却し、お迎え後の継続利用によるライフタイムバリュー(生涯顧客価値)の向上を図る構造改革。
2026年最新情報において、同社は愛知県や岐阜県、静岡県といった東海地盤を中心に、関東(神奈川、埼玉、千葉など)や近畿・北陸エリアに数十店舗のネットワークを安定的に維持しています。「閉店」は衰退の証ではなく、法改正に適応するための店舗大型化・合理化プロセスというのが業界内の共通した見解です。