SNSや妊婦コミュニティを調査すると、「夜中になるたびに陣痛タイマーを起動し、結局朝方に寝落ちして自己嫌悪に陥る」という声が多数を占めます。実際の現場検証でも、多くの初産婦がこの夜間の助走期間に強い精神的プレッシャーを感じていることが分かります。
都内の産院に通う30代初産婦の手記には、当時の葛藤が克明に綴られています。
「妊娠38週に入ってから、毎晩23時を過ぎると生理痛の酷いような痛みが腰に走り、『今夜こそ入院になるかもしれない』と眠れなくなりました。夫を起こすべきか、病院に電話すべきか一人で悩み続け、スマホの計測アプリを睨みつける日々。結局、朝の7時になると痛みがスッと消え、拍子抜けすると同時に激しい寝不足で涙が出ました」
また、おしるし前駆陣痛が重なることでパニックに陥るケースも少なくありません。少量のおしるし(ピンク色や茶褐色の粘液状出血)が見られた後に夜間の痛みが強くなると、「即座に入院しなければ」と焦りがちです。しかし、おしるしは頸管が熟化して子宮口が開き始めた証拠ではあるものの、そこから本格的な出産に至るまでのタイムラグには大きな個人差があります。
医療現場の追跡調査によると、前駆陣痛から本陣痛までの期間は、数時間で移行する人もいれば、毎晩の張りが1週間から2週間近く継続してから本格的なお産に至る人も全体の約3割を占めます。この期間の長さは子宮口の熟化度合いや胎児の下降度によるものであり、決して「お産の進みが悪くて異常」ということではありません。