三國連太郎の女性関係を語る上で欠かせないのが、「生涯で4度の結婚」という事実です。戦中戦後の混乱期から映画黄金期、そして円熟期に至るまで、彼の傍らには常に異なる女性の存在がありました。
最初の結婚は、第二次世界大戦から復員した直後の青年期でした。一般女性との結婚生活でしたが、戦争の爪痕が色濃く残る時代背景や若さゆえのすれ違いもあり、短期間で破局を迎えています。その後、映画界へと足を踏み入れスターダムを駆け上がる中で2人目の女性と再婚するものの、過密な撮影スケジュールと役作りに没頭するあまり、再び家庭生活は破綻へと向かいました。
三國自身、生前のインタビューで「ひとつの役に憑りつかれると家庭を顧みることができなくなる」と告白していた通り、並外れた役者魂そのものが離婚理由の根底にありました。役を演じることと平穏な家庭生活を両立させることが極めて困難な表現者だったと言えます。