あれほど賑わっていた新宿本店が撤退を余儀なくされた最大の要因は、ビジネスウェア需要の構造的な激変と、それに伴う固定費の重圧です。
リモートワークの定着やオフィスカジュアル化の急速な進展により、日常的にスーツを着用する機会は大幅に減少しました。追い打ちをかけるように訪れた外出自粛の波が、都心の一等地に大型店舗を構えるビジネスモデルに強烈な打撃を与えたのです。新宿本店のような超大型店舗は、高い売上を生み出す一方で、莫大な賃料や維持管理コストが発生します。
業績の急激な悪化に直面した同社は、過剰な店舗網の見直しとキャッシュフローの確保を迫られました。全国的に進められた閉店ラッシュのなかで、聖域と目されていた新宿本店も例外ではなく、生き残りをかけた抜本的な構造改革の対象として閉鎖が決定されたのが真相です。