飛距離の絶対的な指標となるのは、クラブの番手ではなく「ヘッドスピード(HS)」と「ボール初速」、そしてフェースの当たりやすさを示す「ミート率(スマッシュファクター)」です。弾道測定器を使った国内主要フィッティング拠点の公開データから算出した、ヘッドスピード別の飛距離相関を以下に示します。
ご覧の通り、ヘッドスピード別飛距離目安を精査すると、一般的なドライバーヘッドスピードが40m/s前後のアベレージゴルファーが、ロフト角30度前後の標準的なアイアンで打った場合、キャリーは135ヤード程度に着地するのが物理的な適正値です。150ヤード飛んでいると主張するゴルファーの多くは、乾いた硬い地面で15ヤード以上転がった「会心の1打」の総飛距離を自分の実力として記憶しているに過ぎません。
また、年代別アイアン平均飛距離まとめの観点では、身体の柔軟性と筋力がピークとなる20〜30代では145〜150ヤードを狙えるものの、40代で140ヤード前後、50代で130〜135ヤード、60代以降では120〜125ヤードへと緩やかに減退していくのが自然な生体変化です。年齢による飛距離低下をスイングの力みで補おうとすると、再現性を致命的に損なう結果を招きます。