野生のフナから変異した魚は、世代を重ねる交配によって次第に赤みを帯びた朱色へと変化していきました。それでもなお「赤魚」ではなく「金魚」の名称が定着したのには、中国の宮廷文化と風水思想が深く関わっています。
中国語において「金魚(チンユィ)」の発音は、「金余(チンユィ=金が有り余る・富が満ちる)」と同音(ジィンユィ)です。この語呂合わせから、金魚を飼うことは金運・財運を招く最上級の縁起物と見なされるようになりました。宋代から明代にかけて宮廷貴族たちがこぞって庭園の池で飼育し、富の象徴として愛でたことで、「金色の富をもたらす尊い魚」としての地位と名前が完全に確立されたのです。