天井から水が滴り落ちてきたとき、何よりも優先すべきは被害の拡大を物理的に食い止める「ファースト対応」だ。近年、民間団体や有志の専門職ネットワークで発足した「集合住宅漏水レスキュープロジェクト」でも提唱されている通り、パニックに陥らず確実な手順を踏むことが命運を分ける。
第一に、水滴が落ちる直下にバケツやタライを配置する。この際、底に重ねたタオルや吸水シートを敷いておくのがプロの鉄則だ。跳ね返った水滴が周囲の壁や家具を濡らす二次被害を劇的に減らせる。また、水滴が天井の広い範囲に染み出している場合は、ビニールシートを養生テープで天井面に扇状に貼り、バケツへ誘導する「水路づくり」も効果的だ。
第二に、家電製品への通電を即座に断つこと。天井裏を通る照明配線やコンセント回路に水が回り、漏電火災や感電を引き起こすリスクが高い。速やかに漏電遮断器(ブレーカー)を落とし、水滴がかかる恐れのある電化製品はコンセントから抜いて退避させよう。
第三に、現場の被害状況をあらゆる角度から写真や動画で記録すること。後述する保険請求や原因究明において、水滴の落下点、天井の浮き、濡れた家具の型番などを克明に残した映像は絶対的な決定打となる。応急対応と並行して、信頼できる水道修理業や建物の管理窓口へすぐに連絡を入れる体勢を整えたい。