高木雄也のキャリアを振り返る上で外せない金字塔が、2008年に放送された日本テレビ系ドラマ『ごくせん 第3シリーズ』の緒方大和役です。Hey! Say! JUMPデビュー翌年、名だたる若手俳優がオーディションに集まる中、不良生徒たちのリーダー格という大役に抜擢された経験は、彼を瞬く間に全国区の知名度へと押し上げました。
当時は黒髪に金メッシュを入れたウルフカット、鋭い眼光で不良少年を熱演し、「平成のヤンチャ男子」のアイコンとして絶大な支持を獲得。その後も『私立バカレア高校』(2012年)や『水球ヤンキース』(2014年)、亀梨和也主演のサスペンス『FINAL CUT』(2018年)など、映像作品において印象的なバイプレイヤーとして確かな爪痕を残してきました。
しかし、映像の世界でキャリアを積むにつれ、彼の中で「決められたアングルの中で演じること」以上の渇望が生まれ始めます。その転機となったのが、2018年の舞台『薔薇と白鳥』でした。メンバーの八乙女光と共に挑んだシェイクスピア劇において、膨大な台詞量と感情の起伏を舞台上で爆発させたことで、演劇の魔力に開眼。映像から舞台へと活動の重心をシフトさせ、一過性の人気に頼らない息の長い表現者への道を歩み始めました。