木村良平という役者の面白さは、決して一つのステレオタイプに留まらない点にある。『テイルズ オブ ゼスティリア』のスレイで見せた、純粋無垢で真っ直ぐな主人公像。かと思えば、『革命機ヴァルヴレイヴ』のエルエルフで見せた冷徹極まりない軍師の立ち振る舞い。どちらも同じ声優が演じていると瞬時に理解できないほどの振り幅を持つ。
さらに『マギ』のジュダルのような、妖艶で身勝手な悪役を演じる際の伸びやかな演技も絶品だ。彼の演じる悪役やライバルキャラには、どこか「自分なりの美学」があり、単なる悪党では終わらない魅力を纏う。役に合わせた発声のチューニング技術はもちろん、キャラクターの思想に寄り添う読解力の高さがうかがえる。