京成電鉄のお花茶屋駅から歩いてすぐ。下町の温もりが残る葛飾区の路地裏に、その店はある。創業以来、日本の製菓業が歩んできた激動の時代を駆け抜けながら、街の成長を甘い記憶と共に見守り続けてきた。
かつて特別な日のご馳走だったケーキを、誰もが気軽に楽しめる日常の幸せへと昇華させた功績は大きい。「親から子へ、そして孫へ。三世代で買いに来てくれる常連さんも多いんです」と厨房のパティシエは穏やかに語る。ただ古いだけではない。時代とともに少しずつレシピを磨き上げ、変わらない安心感の中に確かな進化を忍ばせている。