「レシピ通りに作ったはずなのに、冷蔵庫で冷やしても固まらない」というトラブルの主因は、ポン酢に含まれるクエン酸や酢酸だ。ゼラチンは高濃度の酸と一緒に加熱すると、タンパク質鎖が加水分解されて切断され、網目構造を作れなくなってしまう。株式会社ミツカンや味の素株式会社などの大手メーカーが手掛けるポン酢製品は、爽やかな酸味と旨味が凝縮されている反面、ゼラチンを直接入れて強火で沸騰させると固化能力が著しく低下する性質を持つ。
失敗を防ぐための鉄則はふたつ。ゼラチンを使用する場合は、まず水でしっかりふやかしたゼラチンを熱湯で溶かし、火を止めて少し冷ましてからポン酢と混ぜ合わせること。そして、より確実性を求めるならば酸に強いアガーを活用することだ。温度を80度以上に保ちつつ、酸度の強い液体を煮立たせない工夫こそが、完璧なジュレの食感を生み出す鍵となる。