眉間の皮膚のすぐ下には、表情をつくる「皺眉筋(しゅうびきん)」や「鼻根筋(びこんきん)」といった表情筋が存在し、その直下には頭蓋骨の前頭骨、そして骨の内部に広がる「前頭洞(ぜんとうどう)」と呼ばれる空洞が位置しています。さらに、この領域には顔面の感覚を司る三叉神経の第一枝(眼神経)が走行しており、非常に神経と血管が密集した繊細な構造をしています。
指で押したときに痛みが増悪する(限局性の圧痛がある)現象は、主に以下の2つのメカニズムに大別されます。
第一に、表面の筋肉が過度な緊張によって虚血状態に陥り、トリガーポイント(痛みの引き金となるしこり)を形成しているパターンです。いわゆる眉間を押すと痛い緊張型頭痛や眼精疲労による筋膜痛がこれに該当します。画面を凝視し続けることでピント調節筋である毛様体筋と連動し、眉間に力が入った状態が固定化することで発症します。
第二に、骨の内部にある空洞(前頭洞)の内膜が細菌感染やアレルギーによって炎症を起こし、内部の圧力が高まっているパターンです。前頭洞は眉間のすぐ真裏に位置するため、指で外側から骨を押す刺激がダイレクトに炎症部位へ響き、ズキリとした鋭い痛みを引き起こします。これこそが、風邪の後などに多発する眉間を押すと痛い蓄膿症の典型的な病態です。