省庁の政策が直接国民の食卓や生産者の生活に直結する農林水産行政において、現場は農水大臣の言動をどのように受け止めているのでしょうか。農業従事者や流通関係者の証言からは、報道の額面通りには受け取れないリアルな実態が浮かび上がります。
「大臣が替わるたびに、補助金や制度の重点項目が微妙に変わり、現場の営農計画は振り回されてばかりだ」――東北地方で米と露地野菜を栽培する40代の専業農家は、自著の手記をまとめるかのように吐露します。「特に米の需給調整やスマート農業への移行支援金は、閣僚の方針や選挙のタイミングで方針が左右される。農水相が『鬼門』でコロコロ首がすげ替わることの最大の被害者は、数年先を見据えて何千万円もの設備投資を行っている私たち農家です」。
一方で、首都圏の生協や大手スーパーの仕入れ担当者からは、消費者目線での冷徹な指摘が寄せられています。
「農林水産省のトップは常に『食料自給率の向上』を掲げますが、店頭で並ぶ商品の価格が上がれば、消費者は即座に輸入食品や安価な代替品へ逃げます。大臣が生産者団体の集会で気勢を上げる姿がテレビに映るたび、家計に余裕のない一般消費者の反感は強まるばかりです。SNSで『農水大臣は庶民の食卓を見ていない』と炎上するのは、そうした日常の生活苦との乖離が限界に達している証拠です」。