例年、12月31日の深夜から正月三が日にかけての草戸稲荷神社一帯は、備後地方最大の熱気に包まれます。芦田川にかかる草戸大橋や神社の象徴である朱色の太鼓橋には参拝者の長い行列が形成され、境内に入るまでに1時間から2時間以上の待ち時間が発生することも珍しくありません。
現地を訪れた参拝者へのヒアリングやネット上の生の声からは、過酷な混雑とそれを補って余りある高揚感の両面が浮かび上がります。
「元日の午前11時頃に車で向かったところ、川沿いの土手道が数キロ手前から完全に停止状態。それでも橋の上から見上げる朱色の社殿群と、本殿から眺めた新春の青空、そして福山の街並みを見たら疲れが一瞬で吹き飛びました」(福山市在住・40代男性)
「家族で初詣に行き、話題になっていたおみくじを引いたら家族全員が大興奮。子どもが念願の『大大吉』を引き当て、境内の授与所前は歓声に包まれていました。階段の上り下りは足腰にこたえますが、新年の活力をもらえる場所です」(倉敷市から参拝・30代女性)
混雑を回避して快適に参拝するための鉄則は、三が日のコアタイム(午前10時〜午後15時)を完全に外すことです。大晦日の23時から元旦未明のピークが過ぎた早朝6時〜8時台、もしくは夕方16時以降の時間帯を選択することで、行列による過度な消耗を避け、落ち着いて本殿へ進むことが可能です。