2000年代中盤のテレビ界を語る上で欠かせないのが、TBSテレビで放送された『ズバリ言うわよ!』である。細木数子が放つ「地獄に落ちるわよ!」といった過激なフレーズや人生指南は社会現象となり、視聴率は常にトップ争いを繰り広げた。ゲストのプライベートに容赦なく踏み込むスタイルは賛否両論を巻き起こしながらも、大衆が求める生々しい感情のドラマを毎週提供し続けた。
対照的に、夜の報道番組として絶対的な信頼を誇ったのが堀尾昌志がキャスターを務めた『NHKニュース10』だ。国内外の重大事件を冷静かつ正確に伝え、事実を淡々と積み上げるその姿勢は、感情を揺さぶる民放のバラエティ番組とは対極の美学を持っていた。熱狂を生み出すエンタメと、規律を守り抜く報道。この二つの番組が同時代に並び立っていたことこそ、平成メディアの多面性を示している。