そもそもジーンズの裾を折る行為は、いつから美学へと昇華したのか。時計の針を1950年代に戻すと、そこには作業着からユースカルチャーの象徴へとデニムを押し上げた伝説たちの姿がある。
映画『乱暴者』でマーロン・ブランドが魅せた、エンジニアブーツに無骨に重ねた裾。そして映画『理由なき反抗』でジェームズ・ディーンが世界中の若者を虜にした、気だるくも洗練されたブルーデニムの着こなしだ。当時の若者たちは、労働者のための衣料だったリーバイ・ストラウスのジーンズを手に入れ、既成概念を覆すように裾を折り返して街へと繰り出した。
既製品が個人の体型に合っていなかった時代の実用的な知恵は、銀幕のスターたちを経由することで「抗う姿勢」と「伊達」の象徴へと変貌を遂げた。現代に生きる私たちが裾を折るとき、意識の奥底には彼らが残した反逆の残り香が宿っている。