東京から新幹線で約3時間。将棋の街として知られる天童市が、今やクライミング界の隠れた聖地になりつつある。背景にあるのは、2020年代半ばから急速に進んだライフスタイルの変化だ。リモートワークが当たり前になり、人々が求めたのは「リアルな繋がり」だった。
単に体を動かす場所なら、都会にも溢れている。だが、見知らぬ人同士が自然と声を掛け合い、応援し合う泥臭いコミュニケーションは、規模が大きすぎるジムでは生まれにくい。地方ならではの距離感と、オーナーの人柄が滲み出る空間が、現代人の渇いた心にフィットしたのだ。