頭大仏の敷地に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのはコンクリート打ち放しのシャープな壁面と、視界を遮るように広がる広大な「水庭(みずてわ)」です。安藤建築の真骨頂ともいえるこの水庭は、参拝者が日常の喧騒を離れ、心を清めるための結界としての役割を果たしています。水庭の横を迂回して歩く動線設計により、訪問者は自然と歩調を緩め、水面に映る空や風の揺らぎと対峙することになります。
水庭を越えると、静寂に包まれたプレキャストコンクリート製のアーチトンネルが現れます。薄暗いトンネルを進むにつれて外光が遮断され、視覚と聴覚が研ぎ澄まされていきます。そしてトンネルの最奥、光が降り注ぐドーム状の半屋外空間に到達した瞬間、頭上から降り注ぐ自然光の中に鎮座する大仏の全容が姿を現します。
ドームの天井部分は円形に大きく開口しており、大仏の頭部を自然のキャンバスである空へと突き出させる構造になっています。季節や時間帯によって刻一刻と変化する太陽の光、ドームを吹き抜ける風、冬場に開口部から静かに舞い落ちる雪など、自然現象そのものが建築の演出装置として組み込まれています。コンクリートの幾何学的な厳格さと、北海道の豊かな自然環境が見事なコントラストを描き出しています。