山梨県笛吹市の丘陵地に広がる18ホールを手がけたのは、全英オープンを5度制した伝説の名手、ピーター・トムソンだ。彼の設計思想は極めて明快であり、同時にどこまでも残酷である。「力任せのロングドライブだけでは絶対にスコアにならない」という哲学が、1本の樹木、マウンドの傾斜、バンカーの配置すべてに息づいている。
ドッグレッグの曲がり角に立つ巨木は、一見すると美しいアクセントに見えるが、実はベストルートを完璧に消し去るハザードとして機能する。グリーン周りには絶妙なアンジュレーションが施され、落としどころを数ヤード誤るだけでボールは傾斜を伝って深いバンカーへと吸い込まれていく。プレイヤーは1ホールごとに立ち止まり、風を読み、弾道を思い描きながら、まるでチェスを打つかのような思考を強いられるのだ。