「ブリーチはしたくないけれど、明るいアッシュベージュにしたい」というオーダーに対して、近年急速に提案頻度が高まっているのがブリーチなしダブルカラーです。しかし、この言葉の響きに過度な幻想を抱いているユーザーは少なくありません。
ブリーチなしダブルカラーとは、1液の塗布で最もリフト力の高いライトナー(アルカリカラーの脱色剤)を使用して髪のベースを12〜13レベルまで明るく引き上げ、一度流した後に、2回目の塗布でアッシュとベージュの濃厚な色素を重ねる2段階プロセスを指します。
ここで知っておくべき盲点は以下の3点です:
- ダメージはゼロではない:過硫酸塩を含むブリーチパウダーほどではないものの、高明度のライトナーは一般的なカラー剤よりも相応にキューティクルへ負担をかけます。
- 施術費用と拘束時間:カラー塗布とシャンプーを2回繰り返すため、料金は通常の1.8〜2倍、所要時間も2時間半から3時間程度を要します。
- 白っぽさは出ない:ブリーチなしで削れるのはオレンジ領域までであり、黄色〜白金まで脱色することはできません。そのため、仕上がりは「ミルキーなベージュ」や「まろやかなブラウンアッシュ」に着地し、ペールトーンのプラチナアッシュにはなりません。
ネット上の「傷まないのにブリーチ並みに抜ける」といった誇大広告を鵜呑みにせず、「ブリーチの負担を避けつつ、通常のカラー単体より格段に高い赤み消し効果を得るための折衷案」として正しく位置づけることが肝要です。