ネット検索で頻繁に浮上するのが「石田さんチ 別居の理由」や「離婚危機」というワードです。しかし、番組の取材班が長年記録してきた映像と本人の手記・告白を精査すると、そこには「熟年夫婦における現実的な役割分担と心理的バウンダリー」が存在しています。
別居に至った最大の転換点は、母・千恵子さんの実母(みさ子さん)の認知症介護生活でした。千恵子さんは実母を手元で看取る決断を下し、介護に専念するため実家へと拠点を移しました。24時間体制の介護は過酷を極め、千恵子さん自身も心身の限界に直面した経緯があります。一方、父・晃さんは茨城県常総市の自宅に残り、愛猫とともに一人暮らしを継続しました。
当時の特番インタビューにおいて、晃さんは「お互いに長年突っ走ってきたんだから、自分のペースで暮らすのが一番楽なんだよ」と語り、千恵子さんもまた「一緒にいるとどうしても小言を言ってしまう。離れているからこそ、たまに会った時に優しくなれる」と胸中を明かしています。これは婚姻関係の破綻ではなく、昭和の「我慢の同居」を脱した現代的な「卒婚」スタイルの具現化にほかなりません。
父・石田晃さんはかつて大手外資系サロンの元カリスマ美容師として名を馳せ、取締役統括本部長として数多くの美容師を指導してきた一流の経歴を持ちます。現在は第一線の現場を後進に譲り、シニア世代としての暮らしを送りながら、講演活動や地域のコミュニティに関わっています。2015年の関東・東北豪雨による常総市実家の水害被災をも乗り越えた夫婦の結びつきは、物理的な距離を超えた強固な信頼で結ばれています。