千春の肉声は、半世紀近くを経た現在もリアルタイムで届き続けている。NACK5で長年続くレギュラー番組『松山千春 ON THE RADIO』では、飾らない言葉で社会を斬り、時に自らの老いや命の儚さについて深く語りかける。日曜の夜、ラジオのスピーカーから流れる彼の声に耳を傾けるリスナーの数は衰えを知らない。
近年ではradikoのタイムフリー機能やSpotifyなどのデジタルプラットフォームを通じて、昭和の熱狂を知らない若い世代にもその歌声が再発見されている。ストリーミングで再生されるクリアなハイトーンボイス。デジタル化された音源の向こう側から立ち上がってくるのは、小手先のギミックを排した圧倒的な生身の歌唱力である。時代がどれほど移り変わろうとも、本物の表現が持つ強度は色褪せない。