来館者が口を揃えて「期待を遥かに超えていた」と語る最大の要因は、生き物との圧倒的な距離の近さと、計算し尽くされた空間設計にあります。アクアマリンいなわしろカワセミ水族館の展示は、単に水槽を並べた従来の淡水魚展示とは一線を画しており、福島県内の清流や猪苗代湖の自然環境がそのまま室内に持ち込まれたかのような立体的なレイアウトが特徴です。
なかでも来館者の視線を釘付けにしているのが、施設屈指のアイドルであるユーラシアカワウソの展示エリアです。活発に泳ぎ回る姿や、陸上を滑走するユーモラスな動きがすぐ目の前で観察できるようにガラス面やスロープが巧みに配置されています。飼育スタッフの丁寧な解説とともに繰り広げられる給餌の光景では、小さな手先器用に魚を捕らえる野性味と愛くるしい仕草が共存し、観覧エリアからは感嘆の声が上がります。
さらに、館名にも冠されている「カワセミ」の展示室では、鮮やかな青い羽根を持つ「渓流の宝石」が生きた魚を狙ってダイブする瞬間を観察できる環境を整備。加えて、全国的水族館でも稀に見る充実度を誇る「ゲンゴロウ・タガメなどの水生昆虫ゾーン」は、かつて日本の里山に溢れていたものの絶滅の危機に瀕している貴重種を累代繁殖させており、昆虫採集に胸を躍らせた大人世代から知的好奇心旺盛な子供たちまで、知らず知らずのうちに展示ケースへ顔を寄せてしまう仕掛けが随所に散りばめられています。