日本国内のインターネット検索やSNSでは、トルコに関していくつかの根強い誤解が見受けられます。代表的な盲点を整理しておきましょう。
誤解1:「イスラム圏だからアラブ諸国と同じような文化である」
これは日本人が最も陥りやすい誤解のひとつです。トルコ人の母語であるトルコ語はアラビア語(アフロ・アジア語族)とはまったく異なるテュルク諸語に属し、文法構造はむしろ日本語に近い膠着語です。また、オスマン帝国として600年以上にわたり中東や東欧を統治してきた支配民族としての強烈な自負があり、自国をアラブ諸国と同列に扱われることを非常に嫌う傾向があります。
誤解2:「ヨーロッパ側とアジア側でビザや入国審査が必要になる」
旅行者から時折聞かれる疑問ですが、ボスポラス海峡を渡る際にパスポート審査やチェックポイントなどは一切存在しません。地下鉄(マルマライ)やフェリー、海底道路トンネル、3本の巨大吊り橋で直結されており、東京都心からレインボーブリッジを渡ってお台場へ行くのとまったく同じ感覚で往来が可能です。
誤解3:「宗教国家であり戒律が非常に厳しい」
国民の約9割以上がイスラム教徒(スンニ派中心)ですが、憲法上は厳格な世俗主義(政教分離)を維持しています。街中では普通にビールやワインが販売されており、女性のヒジャブ(スカーフ)着用も個人の自由です。イスタンブールやイズミルなどの沿岸部都市では、ヨーロッパの主要都市と変わらない極めてリベラルで開放的なライフスタイルが定着しています。