築100年を超える木造建築の骨組みを活かしつつ、リノベーションされた客室はまさに建築芸術の趣がある。漆喰の壁、立派な地松の太梁、そして足元を温かく包む畳。古き良き日本の住宅意匠を敬いながらも、ベッドマットレスやバスルーム、空調システムには世界最高峰の設備が導入されている。
「伝統の保存」と「現代の住環境」は時に反発し合うが、ここでは見事な調和を見せている。伝統工芸の組子細工を施した建具から漏れる柔らかい光と、影の陰影。陰翳礼讃の世界観が見事に表現されており、部屋に身を置くだけで心が落ち着く。Wi-Fiなどの通信設備もストレスなく整っていながら、デジタル機器を仕舞い込みたくなる不思議な魔力がある。