ネット上の簡易レシピでは「パックから出してそのまま焼くだけ」と紹介されるケースが散見されますが、ここに仕上がりのクオリティを左右する大きな落とし穴が存在します。市販の生干しししゃも(カラフトシシャモ含む)の表面には、輸送・陳列中に生じた微細なドリップ(水分)が付着しており、これが魚臭さや皮のベタつきの主原因となります。
実践すべき下処理は極めてシンプルです。パックから取り出したししゃもをキッチンペーパーの上に並べ、上からも軽く押さえるようにして表面の余分な水分を徹底的に吸い取ること。もし特有の生臭さが気になる冷凍品や特売品を使用する場合は、焼く直前に酒小さじ1を全体に軽く振りかけ、1分ほど置いてからペーパーで拭き取るだけで、臭みの原因物質(トリメチルアミン)が揮発してクリアな旨味だけが残ります。
また、「子持ちししゃも」を使用する際は、急激な強火で加熱すると内圧が高まり卵が皮を突き破って破裂することがあります。火加減は終始「弱中火〜中火」をキープし、じっくりと熱を伝えていくのが美しく仕上げるための鉄則です。