ネット上には、法律の素人が広めた「無断転載にまつわる都市伝説や誤解」が数多く蔓延しています。これらを信じ込んで行動すると、法廷で弁解の余地を完全に失うことになります。代表的な4つの誤解を是正しておきましょう。
誤解①:「画像はお借りしました」「出所:Pinterest」と書けばセーフ?
これは完全なデマです。出所を記載することは引用の「必要条件」の一つに過ぎず、前述した「引用の必然性」や「主従関係」が満たされていなければ単なる侵害行為です。さらに、PinterestやGoogle画像検索はプラットフォームや検索エンジンに過ぎず、著作権者ではありません。出所として検索エンジンの名前を書く行為は「どこから盗んできたかを白状しているだけ」であり、法的には過失を裏付ける自白証拠として扱われます。
誤解②:「非営利の趣味アカウントだから金銭的リスクはない」?
著作権侵害の成立に、営利か非営利かは一切関係ありません。収益化していない個人アカウントであっても、他人の権利を侵害していれば等しく損害賠償義務が発生します。広告収入を得ていなければ賠償金が安くなるという規定はなく、作品の市場価値や正規使用料に基づいた賠償額が冷徹に請求されます。
誤解③:「指摘されたらすぐにツイ消し(削除)すれば問題ない」?
投稿を削除しても、過去に著作権侵害を行った事実そのものは消滅しません。権利者側がすでにタイムスタンプ付きのスクリーンショットやWeb魚拓、電子署名付きの証拠を保全していた場合、投稿を消した後に発信者情報開示請求や損害賠償請求の内容証明郵便が自宅に届くケースは日常茶飯事です。証拠隠滅を図ったとみなされ、示談交渉において心証を著しく悪化させる要因にもなり得ます。
誤解④:「無断転載禁止と書いていなければ使っていい」?
著作権は作品が創作された瞬間に自動的に発生する「無方式主義」を採用しています。「無断転載禁止」「All Rights Reserved」といった表記の有無にかかわらず、すべての著作物は法律によって保護されています。表記がないからといって自由に使ってよいフリー素材になるわけではありません。