函館港まつりは、単なる夏の観光イベントにとどまらず、街の不屈の復興精神を象徴する歴史を持っています。その起源は1934年(昭和9年)3月21日に発生した「函館大火」に遡ります。市街地の大部分を焼き尽くし、死者2,000名以上を出した未曾有の災禍から立ち直るべく、市民の沈んだ心を鼓舞し、港の繁栄と街の復興を祈願して翌1935年(昭和10年)に第1回が開催されました。
港の開港記念日(7月1日)に由来を重ねつつ、市民が手を取り合って創り上げた伝統は、戦中の中断や幾多の経済変動を乗り越えて現在まで継承されています。港町函館のアイデンティティと防災復興の記憶が、華やかなパレードや夜空を彩る花火の底流に息づいています。