森且行のキャリアを語る上で避けて通れないのが、2021年1月24日の飯塚オートレース場での悲劇的な落車事故です。レース中に他車と接触してフェンスに激突した森選手は、多発肋骨骨折、肺気胸、そして骨盤骨折という致命的な重傷を負いました。
救急搬送された病院の医師からは「あと数ミリずれていたら命が危なかった」「二度と歩くことはできないかもしれない」と告げられるほどの惨状でした。骨盤と腰椎を固定するために計5回の手術を受け、体内には24本ものボルトが埋め込まれるという過酷な医療措置が行われました。
しかし、森選手は決して復帰を諦めませんでした。「もう一度バイクに乗り、仲間との約束を果たす」という強い執念のもと、歩行訓練から始まる壮絶なリハビリを敢行。神経麻痺や激しい痛みに耐えながら、2023年4月6日、川口オートレース場で実に807日ぶりとなる復帰レースで見事に1着をもぎ取り、スタンドを埋め尽くしたファンと関係者を感涙させました。