作中でリリー・フランキーが演じた「先生」こと木村孝雄のモデルは、実在の不動産ブローカー・三上静男(事件当時)です。三上は表向きは不動産業や産廃処理業を手掛けながら、多重債務者や高齢者をターゲットにした保険金詐取、土地の強奪を計画し、実行部隊として後藤死刑囚ら暴力団関係者を巧みに操っていました。
一方、ピエール瀧が狂気と人間臭さを交えて怪演した須藤純隆のモデルが、元暴力団組長の後藤良次死刑囚です。後藤は宇都宮市で起きた拳銃射殺事件などで死刑が確定していましたが、自らの告発によって三上を法廷の場へと引きずり出すことに執念を燃やしました。
その後の裁判において、主犯格である「先生」こと三上には無期懲役の求刑に対し懲役20年の判決が下され、確定しました。首謀者でありながら直接手を下さず間接正犯にとどまった点や証拠関係の限界が法廷で争点となり、極刑を免れた経緯があります。後藤良次死刑囚は複数の裁判で証言台に立ち続けた後、刑場への移送を待つ身として現在も拘置施設に収容されています。