原作の持つ独特の空気感をそのまま銀幕に落とし込んだ2010年公開の映画版。主演を務めた宮崎あおいと高良健吾のキャスティングは、当時大きな話題を呼んだ。特に主人公・芽衣子を演じた宮崎あおいは、可憐さの裏にある芯の強さと焦燥感を泥臭く体現。ライブシーンで見せた魂の叫びとも言える歌唱とギター演奏は、観客の心を打ちのめした。
一方で、種田役の高良健吾が放つ儚げな存在感も圧巻だった。夢と現実の狭間で揺れる若者の青臭さを完璧に表現。撮影裏話として、キャスト陣は実際に楽器を猛練習し、劇中バンドの演奏を吹き替えなしで挑んだというエピソードは有名だ。役者たちの熱量がスクリーン越しに伝わる名演技は、今見返しても全く色褪せない。