Zeebraを取り巻く血脈は、祖父・横井英樹氏の存在にとどまりません。父方の家系に目を向けると、日本の近代建築史および文化史における屈指の名門一族に行き当たります。
Zeebraの実父である坂倉竹之助氏は、東京ミッドタウンのレジデンス棟などを手掛けた著名な建築家です。その父親、すなわちZeebraの父方の祖父は、世界三大建築家の一人であるル・コルビュジエに直接師事し、神奈川県立近代美術館などを設計した日本近代建築の巨匠・坂倉準三氏にあたります。さらに坂倉準三氏の妻(Zeebraの父方の祖母)は、大正自由教育の旗手であり文化学院を創設した西村伊作氏の娘です。
つまりZeebraの家系図を俯瞰すると、母方には「昭和の富を強引に吸い上げた冷徹な事業家」、父方には「大正デモクラシーの自由主義教育とモダニズム建築の粋を極めた文化エリート」という、日本の近代社会の極端な両翼が合流していることが分かります。このような極めて特異な家庭環境、そして幼少期の両親の離婚による複雑な家族構成が、Zeebraという表現者の内面に多大な影響を与えたことは間違いありません。