「右耳だけずっと金属音が聞こえる」「左耳の聞こえが以前より鈍い気がする」。臨床の現場で脳神経外科専門医が患者から聞く最も典型的な主訴が、この「片側だけに生じる違和感」です。一般的な耳鳴りの多くは両耳で均等に発生したり、体調によって強さが変動したりしますが、腫瘍が原因の場合は一歩一歩確実に症状が定着していく傾向があります。
特に注意すべきは、静かな室内に入ったときや夜間就寝前に顕著になる高音域の耳鳴りです。同時に、電話の受話器を当てた際に相手の声がこもって聞こえにくい、あるいは周囲の雑音下で会話が聞き取りづらいといった現象が伴うことも少なくありません。こうした自覚症状が現れた段階で、単なる加齢性難聴やストレス性の不調と片付けず、病的な病変の可能性を疑う姿勢が早期発見の第1波となります。