蟻道を見つけた家主が最も陥りやすい罠が、シロアリ蟻道自力駆除のリスクを軽視したDIY対応です。現場の防除施工士が口を揃えて「絶対にやめてほしい」と警告するのが、一般的なハエ・蚊用やゴキブリ用のピレスロイド系殺虫剤スプレーの直射です。
殺虫剤スプレー使用がNGの理由は、薬剤に含まれる強力な「忌避効果(虫が嫌がって逃げる作用)」にあります。表面に見えている数匹から数十匹を駆除できたとしても、蟻道の奥や床下の土中には数万〜数十万匹の巨大コロニー(巣)が存在します。スプレーの成分を感知したシロアリの集団はパニックに陥り、危険を察知して別のルートへと四方八方に逃亡します。
その結果、本来は床下の一部にとどまっていた被害が、1階の柱、壁の断熱材内部、2階の梁、果ては天井裏や浴室の窓枠にまで分散してしまいます。目に見える蟻道を全壊させてしまうと、プロの調査員が後から侵入経路を特定する手がかり(アタックポイント)を失うことにも直結します。もしシロアリ蟻道を壊してしまった時の対処としては、それ以上触らずにガムテープ等で軽く覆う程度にとどめ、直ちに専門業者の現場調査を依頼するのが鉄則です。