喉を潤すために日常的に行われがちな「ペットボトルの水筒化」ですが、衛生検査の現場からは強い警鐘が鳴らされています。最大の問題は、直接口をつけた瞬間に口腔内の常在菌(唾液由来の連鎖球菌やブドウ球菌)や食べかすが容器内に逆流し、ペットボトル水筒代わりの雑菌繁殖が急激に進行する点にあります。
東京都健康安全研究センターなどの微生物検査データによれば、直接口をつけて飲んだ後のペットボトル飲料(常温25℃保管)では、開封直後に数十個程度だった一般細菌が、24時間後には数百万〜数千万個以上にまで爆発的に増加するケースが確認されています。特に糖分やタンパク質を含む麦茶、カフェオレ、スポーツドリンクは細菌にとって格好の培養液となります。水を入れている場合でも菌の増殖速度は緩やかになるものの、容器の内壁に菌が付着・定着してぬめり(バイオフィルム)を形成するため、決して安全とはいえません。
また、ペットボトル再利用の衛生上の理由として見逃せないのが、容器の物理構造です。ペットボトルは極限まで軽量化・薄肉化されており、注ぎ口(口径)が28mm前後と非常に狭いため、スポンジが奥まで届きません。底面や側面の凹凸(リブ構造)に洗い残しが生じやすく、湿気が内部にこもって乾燥しにくいため、家庭環境下で完全な無菌状態に戻すことは事実上不可能です。