国連加盟国193か国の中で、唯一「四角形ではない国旗」として世界的な知名度を誇るのがネパールの国旗です。上下に2つの直角三角形を重ねた極めて特異な形状は、旅行者や国際情勢ファンの間でも常に話題の中心となってきました。
ネパール国旗が四角形ではない理由は、ヒマラヤ山脈の険しい峰々と、かつて国を統治していた二大王朝(シャハ家とラナ家)が戦場で掲げていた伝統的な「三角旗」の融合にあります。上部の三角形には「三日月と太陽光線」、下部の三角形には「太陽」が白く描かれており、これには「太陽と月が空に輝き続ける限り、ネパールという国家は永遠に存続する」という強烈な祈りが込められています。深紅の地色はネパールの国花であるラリグラス(シャクナゲ)と勇気を、青い縁取りは平和と調和を象徴しています。
興味深いことに、この形状は感覚的に裁断されているわけではありません。2015年に公布されたネパール連邦民主共和国憲法の附則1(Schedule 1)には、コンパスと定規だけを用いて完全に作図するための数学的規定が全24ステップにわたって厳密に明文化されています。外務省資料や国際標準化機構(ISO)の規格においても、この幾何学的比率が忠実に維持されており、アジア珍しい国旗まとめの中でも圧倒的な独自性と緻密な美しさを放っています。